印刷の歴史
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カラーの基礎知識




 印 刷 の 歴 史 TOPへ

<紀元前>
4000ごろ(バビロニア)押圧印刷(瓦書)始まる。
3000ごろ(エジプト)水草パピルスの茎を加工して書写の材料にする
2000ごろ(エジプト)現存する世界最古のパピルス文書「パピルス・プリス」完成
1200ごろ(フェニキア)アルファベット作成
220   (西部アジア)パーチメント(羊皮紙)ができる
<紀元>
105ごろ(中国)蔡倫が樹皮、麻くず、古魚網などの繊維から紙をつくる
285 日本に漢字と墨の製法と紙が伝わる
610 中国の製紙法伝わる
7世紀〜8世紀初(中国)木版印刷始まる
770 「百万塔陀羅尼」印刷
868 (中国)「金剛般若波羅密教」印刷、現存最古の印刷書籍
960〜1279 (中国)宋時代、木版印刷と出版が盛んになる一般には使用されず
1195 「成唯識論述記」(春日版)の版木つくられる
1314 (中国)王禎が「農書」22巻を木活字により刊行、巻末に木活字の製法、
    文選、植字、印刷工程について記す
1403 (朝鮮)太宗官立の銅活字鋳造所設立
1430 (ドイツ)初めての銅板彫刻
1440ごろ (オランダ)コスター、木活字を試作
1445ごろ (ドイツ)グーテンベルグが活版印刷術を発明

1455〜56(ドイツ)教皇の命によりグーテンベルグが「免罪符」を初めて印刷
1457  (ドイツ)初の3色刷り
1460ごろ(イタリア)フィニゲラが彫刻凹版印刷の技法を考案
15世紀〜(イタリア)マヌティウス、約20年間に120点の本を刊行する。錨に
16世紀初 イルカのマークは著名
1513 (ドイツ)グラーフがエッチング(腐食凹版)を工夫
1536 (イタリア)最初の活版刷り新聞「ガゼッタ」ヴェネツィアで発刊
1590 (日本)バリニャーニが西洋活字と印刷機を携えて来日
1607 (日本)徳川家康の命で林道春が「大蔵一覧集」11巻刊行、銅活字に
    よる駿河版
1608 角倉素庵、本阿弥光悦ら「伊勢物語」などを木活字で刊行、嵯峨本、
   光悦本の名
1642 (ドイツ)ジーゲンがメゾチント凹版法を発明
1665 (イタリア)ボルタ、携帯用暗箱を発明、写真の始まり
1765 浮世絵画家鈴木春信、版木師と協力し多色版画を完成「錦絵」のおこり
1768ごろ(フランス)ジャン・バプチストがアクアチント凹版法を発明
1783 (日本)司馬江漢、オランダ人から腐食による彫刻銅版法を習い、銅版
画制作
1798 (ドイツ)セネフィルダーが石版印刷術を発明
   (イギリス)スタンホープ伯が総鉄製印刷機制作、印刷能力毎時250〜300
枚印刷可能へ
1802 (イギリス)ウエッジウッドが、感光紙で塩化銀に写真をうつす方法を開発
1808 (アメリカ)パーキンスが銅凹版法を完成
   (ドイツ)初の石版多色印刷
1812 (ドイツ)ケーニッヒとバウアーが蒸気動力による円圧式印刷機を完成、
印刷の力毎時1100枚可能へ
1813 (フランス)ニエプスが石版石にアスファルトを塗り、写真版をつくる
1824 (フランス)ニエプスとダゲール、写真凸版開発
1837 (フランス)ダーゲルがダゲレオタイプ発明、写真術の祖
1837〜1845 英・独・仏3国でこの時代、手漉き工業の多くが機械漉き製紙業に
      転換
1839 (イギリス)ポントン、重クロム酸アルカリ液の感光性を発見
1846 (アメリカ)ホー、輪転印刷機制作−印刷能力毎時8000枚可能へ
1848  長崎通詞本木昌造、オランダから活字と活字印刷機購入
1852 (イギリス)タルポット、重クロム酸ゼラチンで写真凹版制作
1853 (フランス)ニエプス(上記ニエプスの甥)、カラー写真考案
1854 (フランス)ポアトパンがコロタイプとカーボン印画法を発明
1867 (アメリカ)タイプライター実用化
1869 (フランス)オーウロン、3色写真法の原理を確立
1870 (日本)本木昌造、長崎新街に活版製造所創設、日本初の民間活版業・最
初の洋式活版刷り日刊紙「横浜新聞」創刊
1875 (日本)イタリア人キヨソネ来日、日本印刷界に貢献
1879 (チェコ)クリッチュがグラビア印刷法を考案、1909製作
1882 (ドイツ)マイゼンバッハ、2枚合わせの交差線スクリーン完成
1885 (アメリカ)アイブスが網写真版と3色版製作
   (アメリカ)マーゲンタイター、自動鋳造植字機「ライノタイプ」発明
1886 (アメリカ)レビー兄弟、網目スクリーンの試作に成功
1887 (アメリカ)ランストン、モノタイプ鋳植機を考案、89年に試作機実演
1891 (日本)東京朝日新聞が日本初の輪転印刷を開始
1893 (チェコ)クリッチュが輪転式グラビアを完成
   (ドイツ)ストレッカーが亜鉛平版印刷法を開発
1894 (アメリカ)アルミ平版法発明される
1896 (日本)小川一真、わが国初の3色版印刷物製作
1904 (アメリカ)ルーベルがオフセット印刷機試作
1907 (イギリス)ベーンが原稿から直接金属版面に撮影・製版する方法を考案
1920 (日本)杉本京太、和文タイプライターを発明
1922 (ドイツ)マイゼンバッハ、網凸版製版法オートチピーを完成・ウルマン、
    カメラによる写真平版製版法を考案
1924 (イギリス)プライスが乾式平版法を考案
   (スイス)テボウ、多色グラビア製版法考案
   (日本)石井茂吉、森沢信夫、写真植字機を発明
1929  写真植字を実用化
1933 (日本)箱木一郎、曲面印刷機発明
1935 (アメリカ)多層カラーフィルム発明
   (日本)小学校教科書、初の多色印刷
1953 (日本)アニリン(フレキソ)印刷機輸入、プラスチックへの印刷
    が可能に
1958 (日本)日本初のシャドウマスク試作
1959 (日本)ファクシミリによる新聞の電送開始
1960 (日本)印刷製版にコンピュータ導入
1965  印刷校正記号がJIS化される
1967  写植による新聞が発表される
1969 (日本)コンピュータによる全自動写真植字システム完成
1977  カラーコントロール可能なスキャナが完成
1979 (イスラエル)サイテックス社がコンピュータによる製版処理装置、
    レスポンスシステム発表
1984 (アメリカ)アップル社からMacintoshが登場し、アメリカでは爆発
    的な DTPブームを起こす
   (アメリカ)アドビシステムズ社が、PostScript(ポストスクリプト)
    言語を開発する
1985  ライノタイプ社がポストスクリプトイメージセッターを発表コンピュータで
    作成したものが、印画紙・フィルム出力が可能になる
1989 (日本)イメージセッター日本語版が発売
1992 (日本)印刷業界にアップル社のMacintosh導入が進む
       印刷業界で電子化・デジタル化が進む
1995  インターネットブームが始まる
1996 (日本)DTPブームが始まる
    電話回線デジタル化(ISDN)が進む
1997 CD−ROM化が進む
1998 オンデマンド(パソコンで作成した物が、中間行程を省略し、直接印刷され
    て出てくる印刷機)により、少部数カラー印刷が
    低コストで作成できるようになる。
 ↓
2001 オンデマンド化が進み、一方電話回線通信速度も加速してくる。(ADSL)









▲グーテンベルグが製作した印刷機械




 マルチメディア TOPへ

 デジタル技術を利用することにより、音声・文字・映像など、複数のメディアを合わせた方法であります。
わかりやすくご説明しますと、今あるテレビや映画・電話・FAX等は、それぞれの機械を使い、別々の送信または一部受信をしています。
 そのようなものを一つにまとめ、双方向にやりとりができる。送受信が可能にしたものであります。

 インターネット TOPへ

 ここ1・2年で急激に普及しているパソコン。それに伴って利用者が急増しているインターネット。世界170カ国、 約6,600万人以上の方が利用しています。
インターネットとは、世界中を結ぶコンピュータネットワーク(世界に広がるクモの巣のようなもの)のことです。
そもそも、1969年頃にアメリカのARPA(国防総省高等研究計画局〈現在はDARPA〉)が始めたアメリカの軍事用とし て造られた通信網です。その後、大学や研究所等で学術用としてそのシステム (※1LAN)を取り入れ、幾つかのネットワークグループができました。
 そして、その小さなネットワークグループ同士(サーバー〈UNIXワークステーション〉同士)が結ばれ発展し、 インターネットと呼ばれる世界規模の大きな ※2ネットワークとなりました。そして、これからもインターネットは、 色々な分野で取り入れられまだまだ成長し続けるネットワークでしょう。
ただ、インターネットには管理者が存在しないのです。原則的には、誰でも、いつでもどこでも、自由に利用ができます。 その事が良いのか悪いのかは今現在では答えはでません。
しかし、なんといっても世界最大規模のネットワークです。企業や教育機関、団体等にとっては、限られたエリア内から 一挙に全世界へとネットワークが広がり、大量の情報を得ることができます。その他、全世界を相手にビジネスを展開し ていくチャンスも生まれます。
インターネット上で利用できる機能やサービスは、※3www(ワールド・ワイド・ウェブ)の ほか電子メール、NetNews、FTP等があります。

※1 LAN:Local Area Networkの略で、比較的限られたエリア内のネットワーク。
※2 ネットワーク:お互いのデータをやり取りできるようコンピュータに通信線をつなげ、
   コンピュータ同士を結びつけること。
※3 www:World Wide Web(ワールド・ワイド・ウェブ)の略
   インターネットでの情報検索システム、サービスシステムのひとつ。wwwブラウザが必要。

 DTP (デスク・トップ・パブリッシング) TOPへ

 今まで、デザイン・レイアウトなどは、全て紙の上で作業を行っていました。
現在は、コンピュータやDTPソフトの発達により、紙の上からコンピュータの画面上に移りました。
このように画面上で、レイアウト・デザイン・文字入力・版下作成などの作業を行うことをDTPといいます。
短くまとめますと、パソコンを使って出版物を作成することです。
DTP使用例
●プレゼンテーション用カラープリンタ出力
 カラープリンタの性能が高くなり、プレゼンテーション用のカラーカンプなどは、出力したものもたいへん美しく、 より印刷物に近くなっています。
●版下用印画紙出力
 イメージセッタのスピード及び性能のアップにともない、4色フィルム出力が可能であるにもかかわらず、印刷の 世界では、印画紙出力したものの切り貼りでなければ通用しない場合があります。この傾向は今後もしばらく続くで しょう。印画紙出力したものを、版下として製版に入稿することができます。面付けや色付けなどの指定ができて、 リスクも少なく、出力代金も安価です。
●印刷用製版フィルム
 フィルム出力は、濃度チェックやアミ点、トラッピングなど、実際に自分の目で確認しなければならないので、デ ザイナーや写植・版下の制作者から敬遠されているようです。
●オンデマンド・プリンティングシステム
 オンデマンド・プリンティングシステムは、フィルムも刷版も無しで、マックからダイレクトで紙に印刷するシス テムです。カラーは、プロセス4色のフルカラーです。上質紙、コート紙、アート紙など基本的な紙は使用できます。 ただし、紙のサイズはA3オーバーまでです。代表的なオンデマンド・プリンティングシステムとしては、E-print1000 (indigo社)、GTO-DI(ハイデンベルグ社)などがあります。
 オンデマンド・プリンティングシステムは、ダイレクトで紙に印刷するため、印画紙、フィルム刷版などが不要に なるため少部数を印刷する時、低コストで印刷できるという利点があります。ただ、フィルムがないのでカラープル ーフを出すことはできませんので、カラープリンタなどで十分な校正が必要です。少部数で繰り返し印刷されるもの や、即効性のあるチラシ、定型的な書式を持つ印刷物などには最適といえます。
 また、通し番号を印刷することができるので、チケットなどの印刷には便利です。

●ダイレクト刷版(CTP)
 ダイレクト刷版は、マックからダイレクトで刷版を出力するシステムです。
現在一般的なのは、フィルムを出力して刷版(PS版)をおこすこれをFTP(Film To Plate)という方法です。 それに対し、ダイレクト刷版はCTP(Computer To Plate)と呼びます。出力サイズは、菊全、四六半、菊半などが 可能で、面付けソフトもシステムに含まれています。解像度は3000dpi以上、線数200lpiまで、FMクリーニングにも 対応など、イメージセッタとほぼ同じ仕様です。
 代表的なCTPシステムとしては、Gutenberg(Linotype-Hell社)、SilverDigiplaterα3200(三菱製紙M)などが あります。
 フィルムから刷版をつくるまでの作業には、返しフィルムなどの中間材料が必要になったり、人件費も多くかかってい るのに対し、CTPシステムは、その行程がなくなるので作業時間も短縮され、低コストですむというメリットがある。 また、品質にしてもFTPより高く安定しています。ただ、問題点としては、カラープルーフを出せないということが あげられます。

 入稿の仕方 TOPへ

デジタルデータ入稿
 お客様が、ワープロ、パソコン等で入力された文章(文字のみ)などをフロッピーディスク(FD)などに保存して いただき、印刷会社に持ち込んでいただければ、文字データーはそのまま使用できます。
 また、そうすることにより校正する手間が少なくなり、時間の短縮にもつながります。

【保存する際の注意点】
※保存形式又はファイル形式を”テキスト形式(シンプルテキスト)”にて保存してください。
 必ず拡張子は忘れずに、ファイル名の後に(○○○○.TXT←拡張子)を付けてください。
※ファイル名は、全角4文字(半角8文字/英数)でお願いします。
 例 全角4文字の場合:あいうえ.TXT / 半角8文字の場合:ABCD1234.TXT

【データーの変換に関する注意点】
※文字データーは変換できますが、外字や記号(01301 @・01374 M・01350H・00135 氈jなどは変換できません。
※表やグラフなどは変換できません。表の中の文字データーやグラフの数値データーは変換できますので、保存して入稿してください。
◎必ずフロッピーとプリンターで印刷(打ち出し)したものをご一緒にお渡しください。

【ファイルの種類】
※Adobe製品の「Illsutrator」の場合は、Ver5.5〜Ver8のEPSファイル形式でお願いします。
※フォントに関しては、全てアウトラインをおとりください。
※写真を使用の場合は、その元の写真データもご一緒に入稿してください。
(詳しくは、当社までご相談ください。)

 フォント TOPへ

 Macのフォントは大別して二つのフォント形式がある。それが ビットマップフォントアウトラインフォントである。
ビットマップフォント
文字をグリッドで切り分けて、10ポイント、24ポイントといった、ポイントごとにピクセル(点) で構成されるフォントで、現在ではおもに画面表示用に使用されるが、大きなサイズを指定すると表示が粗く、プリントもデザ インの実用には耐えない。
アウトラインフォント
文字のデータが数値座標によって定義され、文字の曲線部分も2次曲線または3次曲線の定義に よって構成されるフォントである。このため文字のサイズに関わらず、滑らかな画面表示やプリントができるので、Macの処理 能力が高まった今日では、ほとんどがアウトラインフォントになっている。
アウトラインフォントには、TrueTypeフォントポストスクリプトフォントが代表的である。
 マック本体に標準搭載されているアウトラインフォントはTrueTypeフォントである。しかし、ポストスクリプト日本語対応プリンターや、高解像度出力のためのイメージセッター、電子製版機でうまく出力できないケースが多い(ただし一部のプリンターでは高速な出力が可能)。
ポストスクリプトフォント は、出力するプリンターやイメージセッター側にフォントがあれば、ほぼ問題なく高品質な再現が出来る。またリリースされているフォントの数もポストスクリプト対応のものが圧倒的に多い。このことからポストスクリプトフォントは、印刷業界の標準フォーマットとして認知されている。
 印刷媒体を手掛けるデザイナーとして気をつけるべき点は、印刷用のデザインフォームの中に TrueTypeフォントを使わないこと
と、同じ字母を元にするポストスクリプ トフォントTrueTypeをマックの中に混在させておかないことである。例えばTrueTypeのリュウミンライト-KLATM書体のリュウミンLーKLは数字と欧文の形以外ほとんど見分けがつかないので間違って指定してしまうことが多い。

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オフセット印刷
 オフセット印刷は、カラー印刷において生産性も高く、もっともポピュラーな印刷方式です。版に凹凸のない平板(PS版)で、 版から一度ゴムのブランケットにインキを転写して紙に刷ります。
 製版が比較的簡単なうえ、版の複製も簡単に高精度につくることができるので、大量印刷に向きます。印刷機にかかる紙の大き さに合わせて面付けして、一度に数ページの版を印刷することが出来ます。
 オフセット印刷機は、色ごとに印刷ユニットがあります。たとえば、プロセスカラー4色に特色が加わる印刷の場合、5つの印 刷ユニットが必要になります。5色の印刷ユニットがない場合は、3色を印刷したあと2色を印刷するという風に、インキを交換 して二度に分けて印刷します。
 文字や色の修正は、PS版上で行われるのではなく、製版フィルム上での切り貼り作業になります。色を薄くする場合は、ポジ フィルムのアミ点を減力液で減力し、濃くする場合はネガのアミ点を減力してからポジに直します。
グラビア印刷
 凹版印刷の一つで、アミ点を使わずに、銅板に焼きつけた版の凹部にインキをためて刷る方法です。写真のような高品質なグラ デーションを作ることが可能なので、写真集やグラフ誌の印刷によく使われます。
 版の耐久性に優れ、乾きが速いインキを使用するので、輪転印刷が可能です。印刷スピードも早く、大量印刷に向いています。  ただし、製版コストが高くつき、校正刷りが出ないところが難点です。
凸版印刷
 版の凸状部分にインキを付けて紙に直接刷る方式のことで、新聞や雑誌などに使われる単色刷りの「活版印刷」と、カラー4色で 印刷を行う「原色版印刷」とに大別されます。力強い仕上がりで、コントラストの強い原稿に向いています。写真集、絵画の複製や 美術書などの費用をかけてもいい高級書の印刷や、小ロットで印刷して再版する可能性がある本などの印刷に適しています。
 「原色版印刷」では、色分解、網撮りまではオフセット印刷と変わりありませんが、版材として、亜鉛などの金属板か感光性樹脂 板を使用します。しかし、金属板を使うプロセスのため、オフセット印刷に比べると高価で、一度製版してしまうと、修正できる範 囲が限られてしまいます。わずかな修正には、版を切って正しい文字をはめ込むゾーガンという方法があります。

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色の特製
 色は、色相彩度明度の3つの要素で表現されます。 色相(Hue)とは、赤とか青といった「色味」を示し、明度(Lightness)は色の「明るさ」のことで、明度が高いほどその色は白く見えます。彩度(Saturation)は、色の「鮮やかさ」を示し、彩度が高いほどその色は鮮やかに見えます。
 スキャナ、カラーモニタ、カラープリンタ、印刷機などは、それぞれ表現できる色の範囲が異なっています。
 一般的に、カラーモニタで表現できる色の範囲は、他の機器に比べ、かなり広くなっています。その色を印刷の色に置き換えると いうことは、カラーモデルを変換するということです。RGBカラーとCMYKカラーでは、再現できる領域が一致していません。 したがって、Photoshopなどの画像処理ソフトでRGBに変換したあと、CMYKに戻すと、元の色と若干違った色になってしまいます。
■加法混色(RGBカラーモデル)
 赤、緑、青(RGB)の3つの波長の光を、さまざまな強さで組み合わせた色の表現です。この3色を光の三原色と呼びます。 3色の光をそれぞれ100%で組み合わせると白、0%で組み合わせると黒になります。黒に光を加えて色を表現するので、加法混色 ともいいます。カラーモニタやスキャナなどのビデオテクノロジーはこの原理で色を表示しています。
■減法混色(CMYカラーモデル)
 白い光から赤、緑、青を除くと、藍(シアン=C)・赤(マゼンタ=M)・黄(イエロー=Y)が残ります。この3色を色の三原色と呼 びます。白い光から色を引き算して表現するので、減法混色といいます。プロセスカラー印刷では、この原理で色を再現しており、色の 深みを出すためにC・M・Yに黒(K)を加えます。これをCMYKカラーモデルといいます。
プロセスカラー
 CMYカラーモデルのシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)に、ブラック(K)を加えた4色をプロセスカラーといいます。 印刷ではこの4色のアミ点を重ね合わせることによって、写真やイラストを表現しています。理論的にはシアン100%、マゼンタ100%、 イエロー100%を重ねるとブラックになるはずですが、印刷のインキには物理的な限界があるため完全なブラックにはなりません。版ズレ を起こした時など、文字や線がぼやけます。ブラックは写真の色を引き締めたり、小さな文字や細かい線を印刷するために必要です。
特  色
 プロセスカラーは4色の組み合わせによって表されているので、微妙なバランスの加減で、指定色と違った色が出てしまうことがあり ます。パンフレットの大見出しや、ロゴ、トレードカラーなどで、そういったズレがあると、色に対して神経質にならざるをえません。 ですが、インキ会社にはあらかじめ色を混ぜ合わせたインキが揃っています。それを特色インキと呼んでいます。
※特色の注文には「DIC色見本の第○○版−○○○」というように指定します。
UCRとGCR
 プロセスカラー印刷で、CMYにKを合わせて印刷すると、その部分にインキがのりすぎるため、そのまま印刷することはできません。 そこで各色の調整をするのが、UCR(Under Color Removal/下色除去)とGCR(Gray Component Replacement/グレー置換)という処理です。UCRはブラックののっている箇所のCMYを除去し、GCRはCMYでグレーを表している箇所をブラックの濃淡に置き換えます。Photoshopで、RGBカラーモデルからCMYKカラーモデルに変換する時に、UCRとGCRの値を指定できます。